宮間探偵事務所事件ファイル 3




「──凪。何泣いてんの」


知らない内に溢れた涙を指摘されて、慌てて拭う。


「っちが……許されたいから泣いたんじゃなくてっ……」


さっき香坂さんに言われたことを思い出して言う。


「それくらい解るよ」


「……わ、私、最低……自分の事しか考えてなかった……。思い通りにしようとして、九条さんに、あんな酷い事……」


卑怯な自分。こんなんじゃ、誰にも好かれるハズがないし、好きになれる資格もない。


「悪いと思ってんの?」


こく、と頷く。


「そう思ってんなら、謝ればいいだろ。そこで諦めて逃げんの?そーゆーのは馬鹿がする事だ」


「……わ、私、ちゃんと九条さんに謝る。許してもらえるとは思わないけど、ちゃんと、謝る」


そう言うと、ポンポンと励ますように頭を叩かれた。


「そうそう。やるだけやってみな」