「……女って楽だな。泣けば許されるとでも思ってんの?ま、あんたが泣こうが喚こうが、俺には関係ないけど」
酷い言いようだが、この人は当たり前の事を言っているだけだ。
悪いのは、私。
そんな事は解っている。
「……っでも、私、このままじゃ、親が決めた人と、結婚、しなくちゃいけないの……」
「ふぅん。婚約者がいるんだ?随分と時代錯誤な家だね」
「ほんと……いつの時代だって感じ。……それこそ、今時、テレビでも見ないような設定で……」
思わず、複雑な身の上を告白していた。
「その婚約者と結婚すんの、嫌なの?」
「会った事もない人だし、政略的で、道具みたいに扱われているみたいだし……」
『道具』という単語に、男性がぐいっと右の眉を上げた。
「それに……私だって、ちゃんと好きになった人と一緒になりたい」
「夢見る少女って感じだね」
女の子なら、一度くらい結婚に夢見ると思う。

