宮間探偵事務所事件ファイル 3




抵抗しようとするが、無理やりハサミを入れる。


と同時に、


「っ九条さん、と……?」


聞き覚えのある声がした。


天野君のものだ。


その声と、九条潤佳の素顔に、思わず息を呑む。


そして、女の人の声も聞こえた。


ちらっとそっちを見ると、どこかの制服を着た、高校生くらいの女子。


とっさに、入ってきたのとは反対の方にある入口に向かって逃げる。


後ろで何か言っていたが、よく聞こえなかった。


入口まで来たところで、自販機の前に車を停め、飲み物を買っている人と遭遇した。


瞬時にその人からも逃げた。


今の見られた?見られたらマズイ。


自販機の光で、顔がバレたかもしれない。


でも、顔は特別かわいいワケでも、キレイというワケでもない。どこにでもいる普通の顔だ。


制服だって、第二中と同じようなセーラー服だし、すぐに逃げたから、大丈夫。バレているはずがない。大丈夫。


自分にそう言い聞かせて、家に帰った。