毎日、積極的に天野君に話しかけた。
その会話の中で、天野君が気にかけているのは、クラスの人に嫌がらせを受ける、九条潤佳。
私は興味もなかったので、イジメは見て見ぬフリをしていたが、天野君が気にかけている事に苛立ちを覚えた。
それで、あんなバカな事をした。
塾の帰り、たまたま九条潤佳の姿を見かけた。
「九条潤佳は醜い顔を隠すために前髪を伸ばしている」
その噂を思い出して、ペンケースの中のハサミを出して、握りしめた。
夕方を過ぎれば人気のなくなる児童公園の前で声をかけ、公園の中に連れ込む。
道から死角になるところまで引きずり込み、突き飛ばした。
「アンタ、酷い顔してるんでしょ?だから、顔隠してるんでしょ?…その前髪切って、その顔晒したら小気味いいと思わない?」
そう言って、ハサミを近づけ、前髪を引っ張る。

