宮間探偵事務所事件ファイル 3




濡らしたタオルで猫の汚れを取っている京兄の隣にしゃがむ。


「ん。きれいになった。抱く?」


頷くと、艶やかな黒色をした猫を私の膝の上に置いてくれる。


「ただいまー」


猫を抱いてソファーに座ったところで、調査に出ていたらしい莉央(リオ)兄と学(ガク)が帰ってくる。


「あれ、京介?何してんの?」


「鴉に呼ばれた」


「ルークが?って、ルークまた猫拾ってきたの?」


莉央兄が私の足の上で丸まってる猫を見る。


「俺じゃない」


「あー、ごめんなさい。あたしで……『また』?」


お盆を運んできた瑠稀姉が、莉央兄の言葉に眉を寄せる。