そんな…教師要らない…
貴方に弄ばれるなんて…


もう沢山よ…



だから騙されたフリをする。


「──……わかりました」

「よく言ってくれた。では明日から頼んだぞ。」
「では、ごきげんよう。」

わたしは軽く嫌みっぽく会釈すると早々とその場を後にした。


「……華歌?何だったの?」
「───………実は……」


バアンッ!!!!!!




「キャーッ!!!!!」


「何事…?」

向こうから飛ばされて来たのは……


「人……?」


「何があったか説明して!!」
「彼方から人が…!!」
「どうして気絶しているの?」
「そこまでは私にもよく…」

「華歌…。」
「わかってる…」


二人が口を揃えて出した名前は……



『矢場杉学園の仕業ね。』

矢場杉学園…それは…
ここじゃ有名なヤンキー高校…。
喧嘩は毎日の事。酷い時は聖・鈴蘭学院の駐車場で喧嘩…。

こんな事は日常茶飯事…。


「はぁ…」
「華歌……?」
「毎日の事とはいえ…耐え難いわね…」
「華歌………」
「この学院の皆が迷惑しているのだから……」




「行ってくるわ。」





「華歌!?どうしてわざわざ華歌が…?!」

「どうしてって…この学院の生徒が…」
「止めない…だけど…気を付けてね…」
「えぇ…ありがと。」


そしてわたしたちは各々反対の方向へ歩き出した。