十一年前、あたしは六歳。




あの時もたしか、こんな風に足が勝手に動いた。



どこだかわからない廃墟。殺風景な室内。
少し寒く、鉄筋コンクリートでできている、

世間から見放されたような廃墟。









中に入ると一人の少年がいた。