「今日から、俊也も中学生ね!」 「そうだなぁ、楽しめよ~」 優しい母と、温厚な父。 「わかっておりますよ、父さん、母さん。」 俺は礼儀正しく答える。 温かい家庭だったんだ。 きっとこの時あいつに出会わなければ、 ずっとこのままでいられたんだろう。 入学式で、やたら俺に話しかけてきた奴。 茶髪で、短髪で、手には入れ墨。 中学生にして、チャラそうな奴だった。