お握りを握っていても、愁先輩の姿が頭から離れない。 優しい笑顔。 潤んだ瞳。 そして、今日見た鋭い瞳。 どれが本当の愁先輩? ううん、どれもが愁先輩そのものなんだ。 「……愁、先輩…」 思い出すだけで、胸がぎゅうっと苦しくなる。 ヤバい…… どうかしたかも…… 私、愁先輩のこと、好きになったかも。 “かも”じゃない。 それは、もう確信。 私は、愁先輩に恋をしたんだ。