関係ないって思うのに、あの潤んだ瞳が頭から離れない。 “菜子ちゃん〜” 泣きそうな、すがるような顔に、あの潤んだ瞳。 「あれは絶対、反則でしょ」 「何が反則なんだ?松本」 ぽろっと口にした言葉が静かな教室に響き渡り、授業を進めていた世界史の先生に突っ込まれてしまった。 「あっ、いえ、なんでもないです」 はぁ〜、やっぱり、今日は厄日だ。