それから桂一が駅に着くのは、 予想していたよりもずいぶん早くて驚いた。 「ごめん、寒いのに、待たせて」 桂一が、白い息を吐きながら肩を揺らす。 ここまで、走ってきたんだ。 嬉しくて再び溢れそうになる涙を、私はぐっと堪えた。 「早かったね、大丈夫?」 「大丈夫、家まで、送らせて」 桂一がにこりと笑うのは、 私に心配かけまいとするから。 「ありがとう」 私も笑って返した。