「話しは母さんから聞いたよ、よく
 きてくれたね、あやかさん」


「いえ…あのふつつかな者ですが―――」

「なんちゅう挨拶だよ、結婚の挨拶みてぇだぞ」

「だってなんて言ったらいいかわかんないんだもん!」

「だからってなぁ―――――」


翼のお父さんが私たちの言い合いを
さえぎるように言った


「まぁまぁここで話すのもあれだ、ちゃんと
むこうで座って話でもしよう、母さんが夕飯の用意をしている」

「あぁ、そうだな」