つまんねぇ、授業に
俺の肩に、重くのしかかる受験戦争
高3の夏は補習・補習・補習・補習のつまんねぇ毎日だった。
今日も補習
明日も補習
3,4がなくて5に補習
まるで戦時中の日本人のように補習に明け暮れ、勉強漬けの毎日を過ごす、俺。
そんな俺の心の安らぎは…
やっぱりあのキレイなサカナだった。
カノジョの名前は知らない
どこに住んでて
何年生で
どんなヤツかなんて、もっと知らない。
だけど……
俺はカノジョがどんなにキレイに泳ぐのかはよく知ってる。
時に荒々しく水をかき
ターンをしたときには、水中を泳ぐペンギンのように早くて俊敏
真っ直ぐ伸びた足がコバルトブルーに輝く水を蹴り、伸びやかな腕が太陽の光を受けて、カノジョをもっと美しく輝かせる。
誰よりキレイに泳ぐ、キミ
「今日もキレイだな~、ブルーちゃんは。」
俺はこっそり、あのキレイなサカナに名前をつけた。
カノジョの名前は“ブルー”
コバルトブルーのプールで泳ぐキレイなサカナだから“ブルー”



