ヨロコビノウタ




ほんとに少し
小粒の涙を流して


それからしばらく
ぼーっとしていた









ちょうど向かい側

20メートルほど離れたベンチに
二人の男がやってきた



といっても視界に入るだけで
特に気にはならない




何やら話している二人


大きな鞄から
汚い看板を取りだし
ベンチに立て掛ける










なにをしてるんだろ











「よしっ
やるか!」








特別大きい訳でもないこの声が

突然私の中に響き


私はその方向へ目を向けた






そして



「はいどーもー!!
ラジカルメッセージでーす!!!」



大きな声で男が喋りだした