そのアルバムは
まるで、

どんどん衰えていく
インコちゃんの
観察記録だった。


「こ、こんなに…。こんなに違うじゃないか…!」

「でも、ジョアンヌは本当に綺麗なんです!多少輝きを失っても、それでも普通の鳥よりよっぽど綺麗なんです!!」

「…。」

「毎日のほんの少しの変化に、気づけなかったんです…。」


おじさんの手には

左手に
インコちゃんの死体。
右手に
アルバムがあった。

しかし、
涙で視界が滲み
何も見えない。


「ごめんなさい。もっと早く気づいていれば…。」

「…。」


もう何も言う気に
なれなかった。


「でも、俺が言いたいのはそんな事じゃないんです!」

「え?」


ゆっくり
顔をあげる。


「ジョアンヌがやつれたのは、あなたのせいですよ…。」