「もういい、俺がやる。お前を待ってたら日が暮れる」



市橋誉(イチハシ ホマレ)。

それがこの男の名前だ。


この男は、今年の春、最上級生の立候補者達を押し退けて

見事、初の2年生生徒会長として就任したのだ。



「お前…のろまな上に仕事も雑だな。さっきからチェックミスが多すぎる」

「………………」

「おい、何か言う事はないのか?」

「………すみません、でした」

「無能な部下を持つと、上は苦労するな」

「………(こんのクソ上司が)」