「…某国の激戦地なんだ。 死者もたくさん出てしまってるの」 死者? 「大丈夫なのかよ」 「大丈夫よ。あたし、生きるもん」 「死者がたくさん出てるって……!」 「信じて。あたし、絶対帰ってくるよ」 暗闇の中でも、視線を感じる。 強い、まなざし。 「ねぇ……明後日行くまで、一緒に寝よ」 そう言って月菜は俺の布団に入ってきた。