早川が紅茶をすする音が部屋に響く。

「なぁ……」
「ん?」
「あたし、ウソついてんだ」
「はぁ?」

紅茶を吹き出しそうな驚きようの早川。

そんなにショッキングだったか?

「どんなウソ?」
「…月菜が泣いてるの、一回見たことある。
 まぁ、暗闇だったし顔は見えなかった。

 けど、一回だけ確かにあるんだ」