「…この傷は、思い出じゃないのか?」
「そうよ。思い出なんてキレイな言葉、
 使わないでくれる」

汚らわしい。

こんな傷痕。

思い出なんかこれっぽちもないじゃない。

「光太は今、人を殺そうとしてるんだよ。
 それを自分で許せるかしら?
 今までにしたことだって許せないのに」