「その不機嫌そうな唇、いいねぇ」
「……っ」
「キス、してあげるよ」

光太があたしの唇をふさぐ。

汚い、ただの赤い物体。

それが、あたしの唇に押し付けられる。

「口、開けてくれないんだ?」
「開けたらどうなるか分かってるから」
「ディープキス、嫌い?」
「光太のは、大っ嫌い」