「女が剣を握ることを快く思う殿方はおりますまい。」
「でも、玖柳は許したでしょう?」
ね。と父に母上が微笑みかけると、父も満面の笑みで、まぁな。と返す。
あなたたちは特殊なのですと言いたくなるのを抑えて、私はもう一度、
無理です。と繰り返した。
「それがなぁ、もう相手の国に了解してしまった後でな。いまさら取り消せんのだ。」
答えた父は悪びれも無くそう言った。
「花嫁姿が楽しみね。」
母とうなずきあう父に、私といえば怒り爆発だ。
「なにが取り消せんのだですか!?だいたい、普通本人に確認ぐらいするでしょ!!」
そんな私に二人は反省した様子もない。
「そういっても、もう輿入れの日も決まったし、よろしく頼むよ。」
「きっと幸せになれるわ。」
