李玖side続
通された部屋は私の所と同じ畳張りで、これも同じく違い棚がついている。
違うのは、壁に障子が張られた小さな丸窓がついていて、外の景色が楽しめるようになっていることぐらいか。
開けられているその窓から、湯船でみたのとは少し趣きの異なる星空が覗いていた。
「美しいでしょう?これを毎晩眺めながら眠るのが私の日課なんです。」
横に立った珀黎王が言った。
「ええ。とても。」
そう返せば、満足げに微笑んで用意された布団の一組に腰を降ろした。
「麗蓮の高嶺の薔薇は冷鉄な女(ひと)だという噂もありましたが、間違いだったようで、安心いたしました。」
「....そのような噂が?」
「おや?ご存知無かったのですか。麗蓮の薔薇は冷鉄で容赦なく、一切の敵も許さぬ鋭い棘をもっていると、大陸中の噂になるほどには有名なのに。」
それを聞いて、まぁ、あながち間違いでもないと思った。
噂ほど大層ではないけれど。
私は、珀黎王の傍に腰を降ろして言った。
これは宣戦布告だ。
「いえ、その噂は正しいですよ?私は、麗蓮を陥れようとする全てを許しません。」
すると彼の眉がわずかに上がる。
どうやら、先の戦の事だと解ったようだ。
解ったならば話は速いと、語気を強めてさらに重ねる。
胸に秘めた決意を。
「私は貴方の思い通りにはなりません。絶対に。」
通された部屋は私の所と同じ畳張りで、これも同じく違い棚がついている。
違うのは、壁に障子が張られた小さな丸窓がついていて、外の景色が楽しめるようになっていることぐらいか。
開けられているその窓から、湯船でみたのとは少し趣きの異なる星空が覗いていた。
「美しいでしょう?これを毎晩眺めながら眠るのが私の日課なんです。」
横に立った珀黎王が言った。
「ええ。とても。」
そう返せば、満足げに微笑んで用意された布団の一組に腰を降ろした。
「麗蓮の高嶺の薔薇は冷鉄な女(ひと)だという噂もありましたが、間違いだったようで、安心いたしました。」
「....そのような噂が?」
「おや?ご存知無かったのですか。麗蓮の薔薇は冷鉄で容赦なく、一切の敵も許さぬ鋭い棘をもっていると、大陸中の噂になるほどには有名なのに。」
それを聞いて、まぁ、あながち間違いでもないと思った。
噂ほど大層ではないけれど。
私は、珀黎王の傍に腰を降ろして言った。
これは宣戦布告だ。
「いえ、その噂は正しいですよ?私は、麗蓮を陥れようとする全てを許しません。」
すると彼の眉がわずかに上がる。
どうやら、先の戦の事だと解ったようだ。
解ったならば話は速いと、語気を強めてさらに重ねる。
胸に秘めた決意を。
「私は貴方の思い通りにはなりません。絶対に。」
