成太は机の引き出しを開けて何かを取り出すと、それを私に手渡した。
「アキには言ってなかったけど、俺…ずっとスカウトきてたんだ。
シンジはもう、納得済み」
成太は、地元のサッカーチームに所属している。
私はサッカーのことは無知だから、よく分かんない。
そういえば…成太がサッカーをしてるとこ、一度も見たことないな。
「ごめんな」
成太は気まずそうに頭を下げた。
「なんで…黙ってたの?」
なんで私には隠してて、シンジは知ってるの?
私には、すぐに言えない話?
「…俺、頑張るから」
「答えになってない」
私は成太の部屋を飛びだした。

