「1人じゃないよ」 耳元を風が横切った。 そのとき、そう聞こえた気がしたんだ。 「ありがとうね……」 仏壇には、シンジの無邪気に笑う姿がうつされていた。 シンジのおばちゃんは、私に頭をさげた。 「おばちゃん、あのね」 私はゆっくりと深呼吸した。 「シンジと2人で話したい」 おばちゃんは私の言葉を聞いて、静かに部屋の扉を閉めた。