「悪いな。すぐ帰んなきゃ」 そう言って、成太は忙しなくイギリスに帰ったんだ。 私は1人、空港に見送りに来ていた。 「ううん。成太、頑張ってるもんね」 「……アキ」 成太は真剣な目で私を見る。 そして、前に離れたときみたいに私の手を握ったんだ。 「こんな形で、再会したくなかった。 ……ちゃんと向き合えたとき、手紙くれ」 そう言って、成太は行ってしまった。