ボーッと考えてたせいか、私は無意識のうちに立ち止まっていた。


「大丈夫だよ、あいつなら」


シンジが私の頭をポンッとたたいた。


「寂しくても地球は地球だぜ?
 同じ星にいんだよ。空は繋がってる」


シンジがめずらしく真面目なことを言うから。
私は思わず、笑ってしまった。

でも、シンジは笑わなかった。

だって、シンジは間違ってない。

くさい台詞かも知れない。
ありきたりな言葉かも知れない。

でもね、成太。

私たちは繋がってるよ。


「一生会えないんじゃない。
 俺らが、会いに行けばいい」


シンジはそう言って、歩きだした。