「アキも、来てくれてありがとう」


成太はいつもみたいに無邪気に笑う。
しばらくは…この笑顔を見ることができない。

寂しいことばかり考えてしまう。
その分、余計につらくなるのに。


「あっ、やべ。そろそろ行かなきゃ」


遠くから成太を呼ぶ声が聞こえた。
そろそろ、搭乗時刻が迫ってきている。


「じゃあな」


成太は私たちに背中を向ける。