すると、成太は優しい目をして頷いた。


「あのね、成太。

 …私、成太のサッカー見たことないよね?
 だから、今日まで話してくれなかったのは仕方ないかもしれない。

 でもね、成太。

 私たち、幼なじみでしょ?
 いつも3人一緒だよね。
 だから…話してほしかったんだよ」


私の本当の気持ちを成太にぶつける。


「…ごめん。でも、理由があるんだ。

 アキに言わなかったのは、見てほしかった。
 俺、いつかサッカーうまくなって、アキに見せたかったんだよ。

 だから、ギリギリまで黙ってたんだ。

 それに、決まったときに話したら…アキ、絶対泣くじゃん。

 …ほら、もう泣いてる」


成太が話しだしたときから、涙が止まらなかった。

悲しいから?寂しいから?
どうして涙がでるのかな。

成太は私の涙を拭うと、繋いだ手にギュッと力をいれた。


「俺、頑張るから。 だから泣くな」


「成太…寂しくない?」


「…お前らが応援してくれてんじゃん」


私は寂しいよ、成太。
だって、成太がいなくなるんだよ。