2人がブランコに飽きてきた頃、次はすべりだいに行った。
「なんか、低いね」
昔なら、下を見ただけで死ぬって思ってた。
でも今は、低いと思ってしまうくらい。
「俺らが、でっかくなったんだよ」
シンジはそう言って、すべりだいをすべった。
「アキ」
次は成太の順番。
昔は、いつも成太に手を繋いでもらってすべってた。
あの頃は、なんでかこわかったんだよね。
成太も思いだしているのか、昔みたいに手を差しだした。
「成太。私、もう高1だよ」
「だから、1人ですべれるよ」そう付け足したけど、成太は私の手を掴んだ。

