そこは仕方なく諦めて、違う場所を考える。 …でも、成太が他に行きそうな場所なんて。 「学校は?」 シンジは、目と鼻の先にある学校を指差す。 …そういえば、探してない。 「わざわざ学校に行く?」 「……最後じゃん」 シンジの口から出た゛最後゛。 その言葉が胸を締めつける。 「行ってみようぜ」 シンジは私の手を引くと、いつもの通学路を走りだす。 学校につくと、吹奏楽部の音色が耳に響いた。 グランドから微かに、野球部の走りこみの声が聞こえてくる。