公園のブランコに座って、勢いをつけた。
久しぶりに乗った感覚。
…そういえば、昔は公園でよくケンカしたっけ。
ブランコが2つしかなくて、私たちは3人。
ブランコが1つ足りなくて、じゃんけんで誰が乗るかって決めてた。
じゃんけんの弱い私は、いつも乗れない。
でも、成太は優しいから、すぐに私に譲ってくれてた。
昔からやんちゃなシンジは、絶対に譲ってくれなかったけどね。
「懐かしい……」
あのときは、懐かしいだなんて思う私を想像してなかった。
ずっとずっとずっと、3人は変わらないって。
いつまでも、変わらないままだって思ってた。
「おっ、アキ」
偶然通りかかったのだろう。
シンジが公園に入ってきた。

