まだ空の色も薄い朝早く。一軒の家の前に、白と黒の車が数台停まっていた。 その家の奥さまと若い娘は泣き喚き、主人の姿は見当たらない。 寝室でベッドの上を見て嘆息をもらす男は、ベッドの脇にいた彼女に問い掛けた。「きみは、犯人を見たのかい?」 彼女はこたえた。 「ニャー――」 ――End.