その日は壁にへんなものがあったのです。それは絵のようにも見えますし写真のようにも見えますしとにかくへんだったのです。
 額に入った蒼の蝶は頭と羽にピンをさして羽ばたきもしないのです。
 いつか見た蝶に似ておりました。