私はいつもわざと指定される時間より少し遅れて行く。 『…お待たせ』 「…遅い」 相変わらずの不機嫌そうな彼はタバコを足で踏み潰して、私の手首を荒々しく握った。 「…行くぞ」 その荒っぽい掴み方にでさえ胸をときめかせる私は、もう末期なのかもしれない。