半分気を失いながら厨房に逃げる。

恐怖の余り足が言うことを聞かず、転げながら後ずさりする。

カビとコケに覆われたキッチンに
どんどん追い込まれてゆく。

無表情のまま、おじいさんは迫って来る。

そして…

後ろに着いていた手が、
湿っぽい壁に触れた。

逃げ道は閉ざされた。