副会長になり、ミキの悩みは益々消えていった。
恋に悩む事よりも、副会長という大役を担っている為そっちの方で頭がいっぱいだった。
生き生きとしたミキを見て、まわりのミキに対しての見方が変わりつつあった。
特に男子は、副会長としてのミキという今まで見た事ない姿を見て惹かれる者が現れていた。
ナナコは嬉しく思った。自分の願っていたことが現実になっていってる事に。
出会いも大切だと思ったがまずは、違うミキを見てほしいと思っていたからだった。人を通してミキという人物を伝えるよりも、人が直接ミキという人物を見た方がいいと思っていた。
それが、現実になっている。ミキを小学生から知っているからこそそう思えるのだった。
ミキの義姉アヤミは、ミキが恋で深く悩んでいる間ナナコと知り合い、学校でのミキがどんな生活を送っているかを知って、まわりのミキの見方も変わってきている事に嬉しく思った。学校でのミキを知らない家族。だけど、楽しく過ごしていると思うと不思議に元気になれる。
それほど家族の中でミキの存在が大きいものだと改めて実感した。
やがて、月日は流れミキは高校最後の学年になった。
生徒達は、下駄箱前に貼り出された新しいクラス表に釘付けになっている。
『また一緒になったね!!やったぁ~!!』
と、喜ぶ生徒もいれば。
『またあいつと同じクラスかよ~・・・。』
と、残念がる生徒もいる。
ミキとナナコは同じクラスになった。
『ナナコまた同じだね!最後の1年がナナコと同じでよかったよ。また1年間よろしくね。』
と言うミキ。
『私こそ!!ミキは私がいなきゃダメだからね(笑)。』
と、冗談を言いながら笑うナナコとミキの姿があった。
生徒達は、それぞれの新しいクラスに入っていった。
そして、体育館で始業式が始まり生徒会長の話学校長の話と続き、待ちに待った担任発表の時間。
ミキもナナコもドキドキが止まらなかった。
二人は3年5組だった。ミキ達の学年は全7クラスあった。
『1組・・・先生。2組・・・先生。3組・・・先生。4組・・・先生。5組相沢香先生。6組・・・先生。7組・・・先生以上です。』
ミキとナナコは喜んだ。相沢先生は生徒の中で一番人気があり美人だからだった。
時には厳しく、時には優しく保護者からは信頼が厚い先生だった。