『私とユウキの出会いはユウキのナンパから始まったのよ(笑)』
『お兄ちゃん･･･ナンパしたの？？』
ミキはビックリした。比較的内気なユウキがナンパをしてアヤミをゲットしたのかと。想像してみたら笑いが止まらなくなった。
『ユウキはそれはもちろん、カミカミのナンパだったわ。何を言ってるのか分からなくて、えッ？えッ？って聞き返したぐらいだったからね。私はそのカミカミ王子を見て、情けないナンパでも私の目をそらすことなく真っ直ぐに見てくれた所に惹かれたのよ。』
アヤミは恥ずかしながら答えた。
ミキはそんな幸せそうなアヤミを見て、自分もアヤミみたいに幸せになりたいと思った。しかし、幸せになるにはどうしたらいいのだろう。
また考え出すミキだった。
アヤミは優しく口を開いた。
『ミキちゃん幸せは見つけてくれる訳じゃなくて、自分で見つけて掴むものなのよ。私は、ユウキがきっかけを作ってくれただけ。』
アヤミはミキにそう話した。
ミキは不思議な顔をした。
(何で？お兄がお姉ちゃんを見つけてくれたから付き合い始めたんじゃないの？)
アヤミは、また優しく口を開いた。
『ミキちゃん？逆を考えて。ユウキからすれば、ユウキ自身が自分の幸せを見つけたわ。それがたまたま私だっただけの話。私は常に自分で幸せを掴まなきゃと思っていた。ユウキが私に声をかけてくれた事で私はピンときたの。この人となら幸せになれる。だからユウキに惚れたんだよ。』
ミキは、その話を聞いて納得した。
ユウキが自分の幸せを掴んでいたのだった。あの内気な兄がナンパなんてと思っていたが、アヤミの話を聞いていたら納得できた。
アヤミは、ミキがなかなか外に出ないで家で一日を過ごしているミキが気がかりでしかたなかった。外に出ていろんな人を見れば、あの人いいなぁとかこの人カッコイイなぁと思う事があるからだ。
と、ユウキと父が帰ってきた。ミキは真っ先に
『お帰りなさぁい！！』
少しだけ元気になったミキを見たユウキと父はほっとしたのだった。
そして、少しだけ明るくなった夕食が始まった。