『ただいま・・・。』
いつも通りの元気のない帰宅。
ミキの心はボロボロになっていた。親友に打ち明けられないモヤモヤ感がたまらなかった。
(ナナコは気付いてくれて声をかけてくれた。なのにアタシは何してるんだろう。)
しばらくすると、アヤミが仕事から帰って来た。
ミキはアヤミを見ると沢山の涙が溢れてきた。
どうすればいいの?何をすればいいの?
と言わんばかりの大粒の涙を流した。
アヤミはそんなミキを見て何も言わずに抱き寄せた。
そして、大丈夫だよ。少し休みなさいと優しく抱き締めた。
ミキは、この時に初めて姉のアヤミに甘えたのだった。
夕食はまだ、父とユウキが帰ってきてないのでおあずけ。
準備は既に済んでいたので、二人が帰ってくるまでの少しの間を使ってアヤミはミキの話を聞こうと思った。
『ミキちゃん?ちょっとだけ話そうか。』
優しくミキに話しかけるアヤミ。
『うん。』
少しずつ泣き止むミキ。母はそんな二人を見て本当の姉妹かのように思った。
『ミキちゃん?最初のきっかけは何だったの?』
アヤミは、ミキが何故ここまでの状態になったのかを話してもらい一つずつ解決していこうと考えた。
(ミキちゃんは最初恋人ができない事で悩んでいると言っていたけど、私には何か違うような気がする。)
ミキはゆっくりと口を開いた。
『お姉ちゃんに恋人ができなくて、自分はレベルが高いって思われてるって話したの覚えてる?実はそれだけじゃないんだ。男の人と出会う事がないの。学校だと、私を知ってる子ばかりだから、みんな私という存在を勝手に高くして寄りつかない。他校の人なら私を知らないからいいんだけど、その他校の男性に会うきっかけがないの。』
やはりアヤミが思った通り問題の種は別にあった。
まとめれば、出会いがなくて会うきっかけがもてず、どうしたらいいか分からなくなっているということだろう。
ミキと同じ学校の子はミキに恋人がいると思っている為、紹介等がない。
ミキがどんなに彼氏がいないと言っても、嘘だと勝手に思われてしまうのだった。
どう答えたらいいか考えていると、ミキがアヤミに質問した。
『お姉ちゃんとお兄はどうやって出会ったの?』
そんな質問にアヤミはゆっくり答えた。