そんな事が1ヶ月経ち、
『ただいまー!!』
ミキがいつも通りに帰る。
『ミキちゃん!!お帰り。』
アヤミがいつも通りに返した。
ミキは今日こそ、アヤミに相談するつもりでいた。そして、
『お姉ちゃん!!実は・・。』
『ミキちゃん!!あのね・・。』
二人の息がピッタリ合った。この瞬間姉妹としての会話がスタートしようとしていた。
ミキは、ようやく解放されるのかと思っていた。
周りから、いつもの事を聞かれても平気で答えれる。
そんなウキウキ感がたまらなかった。
なによりも、姉として妹としての会話が出来る事に喜びを感じていた。
それはアヤミも同じだった。
ミキはアヤミに自分の本音をぶつけた。
『周りから、彼氏がいるように思われている。男友達は私と付き合うのはレベルが高いって言われるの。レベルって何?私は私なのに。』
確かに、ミキはミキである。
周りは学校でのミキだけを見ているから、勝手にミキに対しての姿や性格や人柄を総合した時に、いくらミキの事を好きでいても告白まではいかず、告白未遂みたいな感じで終わってしまうのだった。
ミキは何度も告白未遂を受けていたので、いくらミキ自身が好きでいても叶わないと勝手に思ってしまうのだった。
一方のアヤミは、考えていた。
アヤミは自分が、ミキと同じ年齢だった頃を思い出していた。
しかし、その頃にはアヤミにも彼氏がいたため、ミキの気持ちに悩んでいた。
(私には当時彼氏がいたミキちゃんの気持ちが分からない。)
アヤミはそう思った。だが、考えている時間はないと感じた。それよりもずっと前からミキが悩み続けていたからだった。
(可愛い妹の為にも私がこんなんじゃいけない。)
(ミキちゃんは私を頼ってくれてるから。)
そう思っていたら、考えることが浅くなった。
良いアドバイスをしようとしていたせいか、ミキの事だけを考えていたら気持ちが楽になり始めた。
ミキは答えを求めている訳じゃない。
ただただ話をしたい、素の自分をみてほしい。
それだけ。