(き、来た...)

ほとんどの学生が帰り、
静まり返った下駄箱に
一人の小さな足音がする。

ドクドクドクドク。

心臓が破裂しそうだ。





「リ、リウっ!!!」

振り返った彼女。
こんなときでもポーカーフェイスだ。
なんか言ってくれ...

「なに...?アタシ約束あるんだけど...」

暗い声。
オレが知ってる声じゃない。

「なぁ...リウ。なんかあったんだろ?幼馴染だろ?教えろよ。」

「別になにもないし、あったとしてもタクマに教える理由はない。」

「は?」

「ただの幼馴染でしょ?しかも性別違うんだしさ、タクマなんかと二人きりになって何されるかわかんない。それに恋人でもないしさ馴れ馴れしくするのやめてくれる?じゃあ。」

「ちょ、ちょっと待てよ。」

「・・・」

「そんな言い方ないだろ?オレが向こう行っても手紙くれてたじゃねぇか。あの時のリウの笑顔はどこにいったんだよ?」