と、

「あのー…
ノートを返却したいのですが…」



と頭上から低い声。



「…はあっ!!!」

緊張の糸が一気に切れた。

それと同時に
顔を上げると、
同じクラスのメガネくん。

こいつの名前、なんだったっけ??

てか、こんなのクラスにいたっけ?

あっ!!

「ありがと!
田中くん!!」

マンガとかこういう
メガネキャラは“田中”っていう
名字が鉄板だよね!!




「えっ…!?
名前、覚えていて下さったんですか!?」



「…え!??!?」



「あなたが
初めてです!!
いつも、“メガネくん”とか“真面目くん”
とか呼ばれていて…」


どうやら
本当に田中という名字だったらしい。