「未来、そんなん言うな。
未来が一番分かってるやろ?
命がどんだけ大事か。


俺な、ちょっと前に親父死んでもうてん。
俺は親父の事、恨んでたけど、でも嫌いにはなられへんかった。

多分、そうゆう事やねんよな、命って…」


郁哉が言った


そっか…郁哉も孤児院出身だったよな…


「未来はいらない子なんかじゃねーよ。
少なくとも俺達は必要としてる。

特に春樹、とかな♪」


「いきなり俺に振るのかよ…。

まぁでも、俺等にとって未来が必要な存在って事は確か、だな」


そう言うと未来が泣き始めた


声は出ないけど、目からは大量の涙が出ていた


『昔の事は本当にショックだったけど、
もう気にしない。』

紙にそう書いた


「それでいーんだよ。
未来は今だけ見てろ。」


「そやそや!
人生の半分は苦しい事やけど
後の半分は幸せやって言うやろ?

苦しかったのと同じ量、
幸せなれんねん♪」


未来はコクコク泣きながら頷いて話を聞いていた