「…未来?」

春樹君が私の顔を覗き込む


声が出ない


医師が入ってきた


「神谷さん!目を覚ましましたか!」

私は取り敢えず頷いた


「痛いところなどはありませんか?」

頭を左右に振る


「動かしにくいところ等は?」


私は喉を指差した



医者の頭上にハテナマークが飛ぶ


「未来…声出ないのか…?」

駿が私の異変に察してそう言った


私は頭を上下する


「検査の準備をするので待っていて下さい」

そう言って医師が部屋を出ていった


私は駿に口パクで

『紙とペン貸して』と言った


駿はすぐにその二つを貸してくれた


私は紙に

『過去の事、思い出した

皆は怪我、ない?』


と書いて三人に見せた