滑るような滑らかで白い肌。そして、微かに香る甘い匂い。
これまで自分の周りに居た女たちのような香水で取り繕った匂いではなく、茅乃自身が発する匂い。
この肌に自分の所有物だという証を刻み付けていきたい。
すべてを自分のものにしてしまいたい。
そんな欲求が頭の中を駆け巡る。
だけど、それと同時に、ここで無理強いをしてしまうと、茅乃は簡単に俺の手から逃げて行ってしまう。
そんな相反する想いが対峙する。
体はいつだって、茅乃を欲したいという気持ちと共に、高まる。
だけど、なんとか俺は、その欲望を必死に留めて、味わっていた茅乃の肌から、唇を離した。
そして、今まで塞いでいた手を茅乃の口から離した。
途端に、茅乃は涙目で俺のことを見てくる。
「ば、馬鹿っ! 冗談でもやっていいことと、悪いことがあるんだからね!」
「―――悪かったって…。だってさ、お前の肌を見てたら、つい吸い付きたくなっちゃって」
わざとふざけた感じで言うと、茅乃は口を尖らせて、俺のことを睨みつけてくる。
「あたしはこういうことも全部初めてなんだから、もう少しぐらい気をつけてくれてもいいじゃない!! ちゃんと、心づもりもつけるから!!」
たぶん、何も考えずに言った言葉だろう。
だけど、これって―――…
「―――それって、俺のために心づもりをつけようとがんばってるってこと?」
ニヤリと笑いながら問いかけると、茅乃はハッと目を見開き、「ち、違う!」と慌てて否定する。
だけど、俺はばっちり聞いちゃったしな。


