「大丈夫だって。俺が手取り足取り、優しく教えてやるって」
にこやかな人当たりのいい笑顔を向けてやったのに、なぜか茅乃は余計に怖がり出した。
「い、いやぁあ!!」
「馬鹿っ!」
いきなり大声を出し始めた茅乃の口を俺は慌てて手で塞ぐ。
こんな集合住宅の中で、悲鳴なんて上げてみろ。
何事かと、騒ぎ出すだろうが。
「いきなり大声だすんじゃねぇ! ただの冗談だろうが」
口を塞がれたままの状態だから、何も言えない茅乃はただ目を大きく見開いて俺のことを見てくる。
そして、ぱちぱちと何度か瞬きをした。
くそ~っ!
こいつ、誠たちが『美少女』だと言うだけのことはあって、可愛いな。
元々大きな目を見開いて下から俺を見てくるその姿は、何ともそそられるものがある。
―――やばい…
自分の理性が、簡単にぼろぼろと崩れ落ちていくのを自分でも感じてしまう。
まだ、早い。
そんなこと自分ではよくわかっているはずなのに―――…
「―――っ!! ん~~~っ!!!」
茅乃の体がビクンッと跳ねる。
警告音が自分の中で鳴り響いている中で、俺は無意識のまま、引き寄せられるように茅乃の首筋に自分の唇を這わせていた。


