「圭くんのことだから、傷心中のあゆさんに止めを刺すようなこと言ってないよね!?」
「―――なんだ、それ? その言い方だと、俺がすっげぇ冷酷な奴みたいじゃねぇか」
「冷酷じゃん!」
こ、こいつ!
言い切りやがった。
普通、そこは躊躇するとかあるだろうが!
それを、別に躊躇することもなく、サラッと言いやがった。
「―――ほう…。そんなことを言う口は、この口か~?」
ゆっくりと自分へと近づいてくる俺を見て、漸く自分の一言が失言だと気づいた茅乃は慌てて弁解に入る。
「いや、あの、今のは言葉のあやと言いますか…、その~…」
両手を必死に使って、何とか弁解しようとするものの、時すでに遅しだ。
俺はばっちりその言葉を聞いてしまったからな。
「それより、茅乃。俺が帰ってくるまでに、ちゃんとお勉強はできたか?」
「へ? 勉強?」
何かわかってなさそうな茅乃に俺は親切に、教えてやる。
「ほら、それ。……読んだんだろ?」
机の上に置かれた雑誌を顎を軽く上げて教えると、途端に茅乃は焦りだす。
「よ、よよよ読んでない! 全然、読んでない!」
「読んだだろ」
こんなに動揺している時点で、バレバレだってんだ。


