「酷いよ…、圭史くん」
途端にぽろぽろと泣き出したあゆ。
な、なんだよ。
情緒不安定なのか?
いきなり泣き出したことに、俺は焦る。
第一、さっきも思ったけど場所を考えてくれ。
案の定、親戚軍団から、俺は冷たい視線を向けられる。
「圭史くん、約束したじゃない!
昔、あゆと結婚してくれるって!」
「―――へ?」
いつの話?
全然記憶にないんだけど。
眉を寄せる俺に、母さんが口をパクパクとさせてた。
なんだ?
目を凝らして母さんが何を言いたいのか口元を探る。
すると―――…
“面倒くさいから、はっきりと言え!”と口パクで言っていた。
面倒くさいからって―――…。
そもそも、あんたが悪いんだろうが。
今でははっきりとわかる。
法事なんて嘘で、俺たち家族をここに来させることが目的だったということが。
それに思い出せば、母さんがこのことを話す時に、なぜか俺も絶対に今回は参加してほしいという念押しがあったと言っていたし―――…。
あの時は深くは考えてなかったけど、俺とあゆを会わせることが目的だったんだろうな。


