「お、おおおお大人の世界って!?」
「それは――…、わかってるだろ?」
意味深な笑みを浮かべられて、あたしは無言のまま、首を横に素早く振った。
「わ、わかりませんっ!!!」
全力否定したのだけど、圭くんはただフッと笑うだけ。
何も言い返してこないのが、逆に怖いって―――…。
絶対に私の否定の言葉なんて、嘘だと思ってる。
そりゃ、嘘なんだけどね。
さすがに、あたしもわかってるって。
でも―――…
否定せずにはいられないに決まってるじゃない。
「せっかくのこの体勢だし―――…」
意味の分からないことを圭くんが呟いたかと思ったら―――…
「ひゃあっ!」
首筋にやわらかい感触が―――…
「おい…。
もう少し、色気のある声を出せよな」
色気のある声って―――…。
そんなもん、言われてで出せるか!
それよりもっ!
「圭くんっ! ちょ、ちょっと!」
「こらっ、ジタバタするな」
ジタバタするなって、するに決まってるじゃない。
この状況だよ。
どう考えても、あたし、襲われてるって!
「今日は最後までしないから、安心しろ」
そっか…。
それなら………って!
「安心できるわけないでしょ!」
「チッ…。騙されなかったか………」
な、なに、舌打ちなんてしてんの?


