最後の最後で、もうお別れって時に、こんな風にからかわなくてもいいじゃない!!
「当分、会えないかもしれないけど、寂しがるなよ」
ニッといたずらな笑みを浮かべる圭くん。
そんな顔を見せられると、反論しちゃうのがあたしで――…
自分でも思う。
いい加減、学習能力身に付けろって。
だって、どうせ圭くんに反論したところで、やり込められちゃうんだから。
無駄なことなのに、反論しちゃうあたしは――…
「全然、寂しくないもん!」
プイッと顔を背けたあたしに、さっきまで笑みを浮かべていた圭くんは途端にその笑みをひっこめたかと思うと、いきなりあたしの後頭部に手を回してきたかと思うと、強引にキスをしてきた。
それも、さっきのような優しいキスじゃなく、荒々しい大人のキスを――…
「~~~っ、ちょっと、いきなり何するのよ!」
長い大人のキスから漸く解放されたあたしは、圭くんを睨み付ける。
だけど、圭くんはさっきのキスの名残をあたしに見せつけるように、自分の唇の端を指で拭う。
その仕草に、さっきまでの熱いキスの感触があたしの中に蘇ってきて、あたしは圭くんから視線を逸らした。
「これで、寂しくないだろ?」
「だから! さっきから、寂しくなんて……っ!」
言おうとするあたしの言葉を遮るように、圭くんはあたしの唇に人差し指を置いた。
「寂しくなったら、今のキスを思い出せよ」
ボンッと顔から火が噴くほど真っ赤になるあたしの顔を見て、圭くんは満足そうに笑う。
「今度会うときまでには覚悟を決めとけよ。それまで、さっきのキスを思い出して、悶々としてろ」
「なっ!」
人を欲求不満な人間のように言わないでくれる!?


