子供+大人=恋?の方程式(応用編)







     *











「お前さ…。さっきから、何、ムスッとしてんだよ」


「べ、別に…」





 なにさなにさ。


 一体、誰のせいでこの複雑な想いを胸に抱えていると思ってるんだ!





 圭くんはあたしの答えたのが気に食わなかったのか、運転しながらもチラリとあたしを一瞥してくる。


「何もないなら、そんな不機嫌丸出しの顔するな。大体な、お前はすぐに思ったことが顔に出るんだよ。だから、『別に』って取り繕ったところで、バレバレなんだよ」





 な、なんだと~!?


「そ、そんなことないもん! 学校ではあたし、『クールビューティー』って呼ばれてるんだからね! そんな思ったことを、すぐに顔に出してるわけじゃないもん!」





 売り言葉に買い言葉とはこのこと。


 真澄に影でそう呼ばれていると聞いてから、心底嫌がっていた自分の別名を、たとえ言い返すためとはいえ、口に出してしまうとは――…


「・・・クールビューティー? え? お前が?」





 運転していたから、目線はずっと前を見据えたまま、圭くんは笑いだす。





 あ~!!


 もう!


 笑われるってわかってるのに、どうしてあたしは口に出しちゃうかな~…


「そ、そりゃ、あたしだって、その呼び方には疑問はあるけど……」


「『あるけど』って、お前がわざわざ口に出したんだろ?」





 なんで、圭くんはこう触れて欲しくない、さらっと流して欲しいことを突いて来るかな?


 口に出して失敗したと思っているのは指摘されるまでもなく、あたし自身なんだから!


 そこは年上の懐の深さでスルーするっていうのが優しさでしょうが!


「―――で?」